審判離婚とは、夫婦が離婚に同意しているけれど、細かい条件面で合意ができていない場合に用いられる制度です。細かい条件とは例えば、子の面会・交流の頻度や養育費などです。
⑴審判離婚の流れ
審判離婚の前にまず離婚のための調停(離婚調停)があります。これは夫婦が離婚する意思を両方とも持っているけれど話し合いができない状態だったり、話合いが進まない状態で協議に基づいた離婚(協議離婚)が困難な場合に利用されます。つまり、裁判所が夫婦の間に入って離婚の条件や内容をアドバイス・提案することにより円満な離婚を図る(家事紛争の解決)を図る調停になります。
しかし、全ての調停がうまくいくとは限りません。当事者が条件に承諾しなかったり、欠席を続ける場合で調停ができない場合も考えられます。
原則、調停による離婚が成立しない場合、改めて離婚しようとすると訴訟による離婚(判決離婚)に移行します。いわば裁判による離婚ですから当然時間やお金などの費用が調停離婚と比べて大きくなります。これでは夫婦だけでなく、裁判所にとって望ましい状態ではありません。
そこで、裁判官が当事者の意思になるべく反しないような形で離婚の細かい条件を決定するのが審判離婚になります。
⑵異議申し立て
審判離婚では裁判官が離婚の細かい条件を決定していきますが、自分の意思にそぐわない場合にもちろん異議を申し立てることもできます。手続きは意外に簡単で、審判書を受け取ってから2週間以内(必着)に、家庭裁判所に対して「審判に対する異議申立書」を審判書の謄本を添えて提出します。申し立てをすると審判は失効します。
審判離婚となった場合、受け入れるかどうかの判断が重要で、不利な内容であればスピーディに異議を申し立てる必要があります。迷ったときには、法律知識を持った司法書士・弁護士に相談しましょう。
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審判離婚
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