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相続でもめやすい寄与分とは|計算方法や要件などわかりやすく解説

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相続でもめやすい寄与分とは|計算方法や要件などわかりやすく解説

■ 相続における寄与分について
家族の誰かが亡くなった時には必ず相続が発生します。相続人の対象になる人が多ければ多いほど相続トラブルにも発展してしまいます。中でも、被相続人が介護などを必要としており、それに従事していた相続人が自分は被相続人に対してそれなりの貢献をしてきたのだから相続分は多めに貰いたいと主張することがあります。このような主張は認められるのでしょうか。
これを解決するのが寄与分と呼ばれるものです。寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加について何らかの特別な貢献をした相続人や、相続人が自宅で被相続人を介護した結果、財産を減少させることなく維持できたなどの被相続人の財産に特別の寄与をした相続人に対し、その貢献度に応じて相続分を増加させることをいいます。寄与分を受けることができる権利者については民法904条の2で定められており、一般的には相続人が原則となります。

■ 寄与分を主張する要件
寄与分を主張するためには、以下の要件を充足していなければなりません。

⑴ 寄与分権者であること
民法904条の2で定められた相続人の他に、特別寄与者と呼ばれる者も一定の要件の下で寄与分権者としての資格を有します。

⑵ 特別の寄与があるということ
当然のことですが、相続人の行為が被相続人の財産について特別の寄与として認められなければなりません。この特別の寄与は普通の相続人がする以上の貢献があることを要します。

⑶ 相続財産の維持・増加
相続人の特別な寄与の結果、被相続人の相続財産について減少を阻止し、維持または増加していれば行為と結果との間に因果関係があることになります。

■ 寄与分の計算方法
通常、寄与分などの特別な事情が介在しなければ、民法に定められた法定相続分や遺言書の内容にしたがって相続分を確定します。しかし、寄与分権者が存在する場合には、それを考慮して再計算する必要があります。寄与分の計算についても民法904条の2によって定められています。本稿でなるべくわかりやすくご説明いたします。

⑴ 寄与分の具体的な額を算定する
まず、寄与分権者が貢献した度合いに応じて寄与分を確定する必要があります。その計算方式としてどのような形で被相続人に対して貢献をしたかによってその方式が異なってきます。ここでは一例をご紹介いたします。

① 家事従事型
寄与分権者が受けるべき年間の給付額×(1-生活費控除割合)×貢献した年数=寄与分額

② 金銭贈与型
贈与額×貨幣価値変動率×裁量的割合=寄与分額

③ 療養看護型
付添介護人(介護士・ヘルパー)の日当額×療養看護日数×裁量的割合=寄与分額

⑵ 寄与分がある場合の相続分の計算方法
通常の相続と異なる点として「みなし財産」と呼ばれるものを計算します。みなし財産については相続時の財産から寄与分を引くことで算出できます。このみなし財産が求められたら、各相続人の法定相続分に応じて計算をすることになります。

● 具体的な計算方法
① 寄与分権者:みなし財産×法定相続分+寄与分

② 他の相続人:みなし財産×法定相続分

安藤武久法律事務所では、港区・大田区・練馬区・文京区など東京都を中心に神奈川県・千葉県・埼玉県で「寄与分」などの「相続」に関するご相談を承っております。「相続」についてご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。ご相談者さまのニーズに合わせた最適なご提案をいたします。

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