交通事故の際、加害者が損害賠償として一定額の支払いを約束するとともに、被害者がその支払いを受けることに納得し、それ以上の損害の賠償については事後加害者に一切の請求をしないという合意が加害者(または保険会社)と被害者との間に行われることが多く、この合意を「示談」と呼びます。日本では裁判所に持ち込まれる例は調停を含めても2%ほどと、非常に少なくなっています。
示談が盛んに行なわれる原因としては、以下のような理由が挙げられます。
①示談では自動車損害賠償保障法によって定められている損害賠償金の支払額の基準による支払額が提示されることが多く、裁判所が過去の交通事故裁判における支払い判決に基づく基準で算出する支払額より少額になりやすく、加害者側にメリットがあること
②加害者が示談によって被害者(または遺族や近親者)に損害賠償金を支払う意思と誠意を示すことで、その後に科せられるだろう刑事制裁の軽減が期待できること
③一方で、被害者としても時間と費用のかかる訴訟を回避して、すみやかに支払われる分だけでも受領したいという意図があること
裁判所に持ち込まず示談に応じることで、すみやかな支払いは得られるものの、賠償金が少なくなることが多いです。示談が成立した場合には、被害者・加害者ともにこれに拘束され、支払いの拒否や追加請求を行うことは原則できなくなります。示談に応じるべきなのかどうか、特に裁判所に持ち込んだ際の賠償金の算出など、弁護士に相談することができます。
安藤武久弁護士事務所は、東京都港区・大田区・練馬区・文京区を中心に、千葉県や埼玉県、神奈川県において交通事故などの法律問題を取り扱っております。お困りの際はお気軽にお問い合わせください。豊富な知識と経験からご相談者様に最適な解決方法をご提案させていただきます。
示談交渉
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